ロールベース検索とは
Fess では任意の認証システムで認証されたユーザーの認証情報を元に検索結果を出し分けることができます。たとえば、ロールaを持つユーザーAは検索結果にロールaの情報が表示されるが、ロールaを持たないユーザーBは検索してもそれが表示されません。この機能を利用することで、ポータルやシングルサインオン環境でログインしているユーザーの所属する部門別や役職別などに検索を実現することができます。
Fess のロールベース検索ではロール情報を以下より取得できます。
リクエストパラメータ
リクエストヘッダー
クッキー
J2EE の認証情報
ポータルやエージェント型シングルサインオンシステムでは認証時に Fess の稼働しているドメインとパスに対してクッキーで認証情報を保存することで、ロール情報を取得することができます。また、リバースプロキシ型シングルサインオンシステムでは Fess へのアクセス時にリクエストパラメータやリクエストヘッダーに認証情報を付加することでロール情報を取得することができます。
ロールベース検索の設定
ここでは J2EE の認証情報を利用したロールベース検索の設定方法を説明します。
tomcat-users.xmlの設定
conf/tomcat-users.xml にロールとユーザーを追加します。今回は role1 ロールでロールベース検索を行います。ログインするユーザーは role1 になります。
<?xml version='1.0' encoding='utf-8'?>
<tomcat-users>
<role rolename="fess"/>
<role rolename="solr"/>
<role rolename="role1"/>
<user username="admin" password="admin" roles="fess"/>
<user username="solradmin" password="solradmin" roles="solr"/>
<user username="role1" password="role1" roles="role1"/>
</tomcat-users>
app.diconの設定
webapps/fess/WEB-INF/classes/app.dicon を以下のように設定します。
:
<component name="roleQueryHelper" class="jp.sf.fess.helper.impl.RoleQueryHelperImpl">
<property name="defaultRoleList">
{"guest"}
</property>
</component>
:
defaultRoleList を設定することで、認証情報がない場合のロール情報を設定できます。設定することでログインしていないユーザーに対して、ロールが必要な検索結果を表示させないようにできます。
fess.diconの設定
webapps/fess/WEB-INF/classes/fess.dicon を以下のように設定します。
:
<component name="systemHelper" class="jp.sf.fess.helper.SystemHelper">
<property name="authenticatedRoles">"role1"</property>
</component>
:
authenticatedRoles はカンマ (,) 区切りで複数記述することができます。
web.xmlの設定
webapps/fess/WEB-INF/web.xml を以下のように設定します。
:
<security-constraint>
<web-resource-collection>
<web-resource-name> |Fess| Authentication</web-resource-name>
<url-pattern>/login/login</url-pattern>
</web-resource-collection>
<auth-constraint>
<role-name>fess</role-name>
<role-name>role1</role-name>
</auth-constraint>
</security-constraint>
:
<security-role>
<role-name>fess</role-name>
</security-role>
<security-role>
<role-name>role1</role-name>
</security-role>
:
Fess の管理画面での設定
Fess を起動して管理者としてログインします。メニューのロールから設定名を Role1 (設定名は任意)、値を role1 でロールを登録します。あとは role1 を持つユーザーで利用したいクロール設定で、Role1 を選択してクロール設定を登録してクロールします。
ロールでログイン
管理画面からログアウトします。role1 ユーザーでログインします。ログインに成功すると検索画面のトップにリダイレクトされます。
通常通り検索すると、クロール設定で Role1 のロール設定されたものだけが表示されます。
また、ログインしていない状態での検索は、guest ユーザーによる検索となります。
ロールのログアウト
管理者以外のロールでログインした状態で http://localhost:8080/fess/admin にアクセスすると、ログアウトするかどうかの画面が表示されます。ログアウトボタンを押下することでログアウトされます。